糖尿病は残念ながら現在の医学では完治させることができません。
しかしながら、合併症が起こらないよう血糖をコントロールし、健康管理を行うことで、糖尿病のない方と同じように健康長寿を実現することが可能です。
定期的に通院いただく中で、現在の糖代謝機能の状態、血管や神経の状態を検査して病態を評価し、それに基づいた最適の治療薬を選択し、治療を組み立てることで、血糖を良好にコントロールし、血管合併症を起こさないためのリスクマネジメントを行います。
また、全身トータルの健康管理も併せて行っていくことで、糖尿病のない方と変わりない「健康長寿」を実現いただくのが、当院の糖尿病治療です。
糖尿病と診断され、治療方針が決まったら、今まで身体任せにしていた糖代謝機能を自分自身でコントロールし、健康管理を心がけていただく「自己管理」を行っていただきます。
全身の健康と日々の生活の活力を維持するために必要なエネルギーと、健康な身体を維持するために必要な栄養素をバランスよく食べていただきます。
まずは、あまり難しく考えず、日本の伝統的な主食・主菜・副菜の組み合わせで、腹八分のお食事を心がけることからはじめましょう。
当院の糖尿病患者さんの最高齢は106歳。60歳でインスリン治療を開始した女性です。インスリン治療であっても、健康長寿は実現できます。
余分な糖エネルギーを消費するには運動が一番!血管をはじめ、身体の中の様々な組織の機能を良好に維持するためにも、全身の筋肉の機能を維持することが必要不可欠です。動かさない筋肉はどんどん退化し機能が低下していきます。まずは、日々の生活でこまめに身体(筋肉)を動かすことを意識し、適度な運動を生活習慣に取り入れていきましょう。
生活習慣の改善だけでは、血糖コントロールができないほどインスリン抵抗性、インスリン分泌が低下している場合は、お薬で糖代謝機能を補っていきます。
治療がうまくいっているかどうか、合併症が出ていないかを検査によって確認します。
「自己管理」というと言葉は簡単ですが、長年続けてきた生活習慣を改善するのは容易ではありませんし、従事するお仕事によっては、教科書通りの理想的な健康生活を送ることが難しい場合もあります。また、糖尿病治療は長い期間にわたりますので、患者さんがそれぞれのライフステージで求める人生の目標の実現を損なわない治療管理の方法を考える必要もあります。
当院では、患者さん一人一人の人生と糖尿病管理の在り方を一緒に考え、その時々で最適な自己管理方法をデザインし、できることから実行いただき毎日の生活習慣として長く続けていただけるよう、患者さんの自己管理をチーム医療でサポートしています。
開院当初から数十年にわたって通院いただいている患者さんとは、家族のようなおつきあいとなっています。治療にあたってわからないことや不安なこと、日々の生活でうまくいかないことがありましたら、細かいことでも遠慮なく医療スタッフにご相談ください。
糖尿病治療は生涯にわたって、全身トータルでの健康管理を行っていきます。このため、お身体の不調がありましたら、糖尿病以外のことでも主治医にお知らせください。かかりつけ医として診察いたします。また、当院で対応できない精密検査や専門的な治療が必要と判断した場合は、適切な医療機関や専門医をご紹介いたします。