熊本のお城のおはなし
先週末、理事長宛にこんなお手紙が届きました。
陣内冨男、ご多分にもれず『熊本城城主』でありまして。
熊本城一口城主制度で集められた「熊本城復元整備基金」の残高、
現時点で約6億円あるそうなのですが、
これを基金の趣旨である「熊本城復元」の前に、
まずは現状の「復旧事業全般」に活用することに対して理解を求める旨と、
新たに災害復興支援金を募る「復興城主」制度を始動させることを
現城主にお知らせするお手紙だったのでした。
熊本地震以降の熊本城、被害甚大にて城内立ち入り禁止、
今もまだ、お堀越しにしか見ることが叶わない状態です。
5月に街中に用があって、帰り際に二の丸広場に立ちよった際には、
観光客の姿はほとんどなく、
以前、くまもとよかとこ案内人の草部さんに教えていただいた
大天守、小天守、宇土櫓が重なってあたかも三連の天守に見えるポイントに、
おそらく同じく、仕事の移動途中に立ち寄った感じの
地元のサラリーマンと思しき方々がちらほらと、
震災疲れもあってか、一様に言葉少なく、ぐったりした様子で
城を仰ぎ見る姿が見られ。
「・・・哀れなもんじゃのう。・・・」
という、なんだか時代がかった言葉に、皆、声もなく。
熊本市民にとってカッコイイのが「当たり前」だった熊本城。
その熊本城が、こんな姿になってしまうなんて!!!
実際に自分の目で見ると、
胸がふさがるような身の置き所のない思いに襲われます。
戦国の時代に、城が落ちた國の民衆の気持ち、斯くやあらん。
うっ、屋根瓦の下の漆喰から雑草生えてきてるし(涙)
その後、夏休みには、観光客も来られるようになり、
9月に入って再開された、くまもとさるくのガイドさんの語りに、
お城も賑わいを取り戻しつつありますが・・・
やはり、震災前のあの姿に戻した〜いっっ!!!
というのは熊本市民、皆が抱く願いかと。
熊本市の試算によりますと、復旧には
概ね20年、6百億円が必要なのだそう。
6百億のイメージがさっぱりわかない小市民ではありますが、
微力ながら、とるものもとりあえず、
明日11月1日から始まる「復興城主」になろう!
と思っているところであります。
こちらはある日の二の丸公園。
家族旅行で熊本城を訪れたものの、
ひたすら外堀沿いを歩くだけのお城めぐりに疲れて
家族の輪から遅れてしまった少年が一人。
見かねた城内管理人さんが
「加藤神社まで行けば、お城がもっと近くで大〜きく見られるから。
もうちょっとお母さん達と一緒に歩いてみよう!」
と励ましている場面に遭遇。
崩れた城郭や石垣、大人には感慨深いですが、
お子さんには、そりゃ〜つまんないだけだよね(汗)。
僕、どうか20年後、大人になってから、もう一度熊本城に来てね。
その頃には、日本一カッコイイお城と
遠く阿蘇まで臨める天守閣からの眺めを見てもらえるように、
みんなで頑張って復興するよっ!!