透析室の熊本地震〜本震の巻〜
本震発生は、4月16日未明の1時25分。
熊本市内の震度は6強。
コンソール2台が転落。
スタッフデスクは、
倒れ落ちたスチール書架で埋没。
いずれも簡単に持ち上げられる重さではないものが、いとも簡単に動き、
診療時間内であれば確実に人がいたであろうところに倒れていますが、
前震・本震共に発生時刻が深夜であったことで、負傷者なし。
今回の被災における、最大の幸運であったと思います。
この本震により、
市内で透析不能に陥った施設が増え、
済生会熊本病院での受け入れも増加、
この時期は1人の透析時間を2時間に短縮せざるをえなくなりました。
また、こちらのブログでもご紹介した通り、
本震後より、地下水の混濁が進んだことで、
自院に地下水利用システムがある施設であっても、
透析液を作る過程での不純物の除去に時間がかかるようになり、
済生会熊本病院からも、
多数の支援透析受け入れが困難、と告げられます。
ちょうどその頃、当院の透析患者さんが
他疾患にて熊大を受診されたことで、
熊大より透析治療状況の照会があった際に、
「うちでも受け入れ可能ですよ」
とのミラクルなお申し出があり、18日からは熊大付属病院に転医。
その後、熊大での長期の支援透析受入も難しいだろう、次をどうするか、と
スタッフが思案を始めた矢先に、
災害支援ネットワークでの当院の透析不能との書き込みを見た
上村内科クリニック院長の上村克哉先生が、
当院のガレージ診療の場に自ら足を運んで自院での支援透析をお申し出くださり、
25日から透析を受け入れていただきました。
この辺の流れ、我々にとっては、
幸運を超えてミラクルとしか言いようがない経緯なのですが、
全ては、日本透析医会によって、
災害支援の透析ネットワークが整備され、
当院に必要な支援を即時で外部に発信できたこと、
それによって即時で支援透析を決断し、お声をかけてくださった
各施設の御厚意あってのミラクルです。
日本透析医会、ならびに熊本県透析施設協議会、
済生会熊本病院、熊大付属病院、上村内科クリニックの皆様には
窮地を救っていただきました。
おかげさまで当院の患者さんの命を守ることができました。
本当にありがとうございました。